金とメッキと真鍮の違い
2022/05/23
下の写真をご覧ください。
この中に一つだけゴールドの指輪があります。
どれかわかりますか?
正解は左端の指輪がK18(18きん)のゴールドリングです。
真ん中はシルバーに金メッキをかけたもの。
右端は真鍮です。
このようにパッと見ただけでは、区別がつかない程世の中には「金色のジュエリー」があふれています。
どうしてこれだけ、「ゴールドに似せたもの」があふれているのか。
それは、金に憧れつづけた人類のたぐいまれなる試行錯誤の連続と科学の進化の上で成り立つ歴史なのです。
ツタンカーメンの金のマスクに代表されるように、人類が誕生し、金属の発見から金色のついた金属を権力者が求めてやまない歴史がありました。
ただ、金の産出量は極めて少なく入手が困難です。
古代ギリシャでは金を何とか他の金属から作れないか?と考える人間が生まれました。
その中で錬金術という科学は発展します。文字通り、「金を錬成する技術」です。
ただし、残念ながら金は作れなかったのです。現代の我々は元素なので当然だと、思いますが当時は何とか作れないかと人々は頑張ったのです。そのおかげで沢山の科学発展がなされてきました。
そこから歴史は流れて1800年代に「電気メッキ」という画期的なメッキ方法が開発されます。
それまでにも、防錆用途などのメッキはありましたが、この発見により簡易に金メッキが出来る事で沢山の宝飾品に使われるようになりました。
安価で華やかな金色のジュエリーとして人気があるメッキですが、「メッキがはがれる」ということわざがあるように、メッキはいつかはがれてしまいます。そして、下地に使われているニッケルは人体にアレルギー反応が出やすいため、使う人を選びます。
真鍮も最初は輝く金色ですが、お手入れを怠るととたんに色味が鈍くなってきます。
こちらも味があると革製品などとの相性は良いので好き好きだと思いますが、最初に買ったイメージでお使いになっていて色の変化にショックを受ける方もおられます。
どの製品も一長一短がありますので、その特徴を知った上で楽しんで頂ければ幸いです。
【ゴールド】(K22・K18・K14・K10など刻印あり)
合金の配合によって色味や硬さが変わります。数字が少ないほど金の量が少なく変色が起こります。
<メリット>硬く。品質の変化が少ない。
<デメリット>高価
【メッキ】(K18 GP・GF・M の刻印)
他の金属に金の膜を張ったものや、薄い金張りをしたものを指します。
<メリット>安価
<デメリット>はがれる・金属アレルギーがでやすい
【真鍮】(特に刻印はない)
銅の合金
<メリット>安価
<デメリット>変色・金属アレルギーがでやすい・使っていると緑青によって肌に緑が付くことがある